2015年10月21日水曜日

暗号

かなり久々の更新。

さっき残業を終えて帰ってきた。
家族は寝静まっている。
相変わらず糖質制限をしているのだが、キッチンに鍋で炊いた米と、茹でたうどん、タレで和えた餅が置いてあった。
あと味噌汁。
糖質+糖質+糖質+味噌汁。
これはカミさんからの何かのメッセージなのだろうか。

2015年5月11日月曜日

術後八十一日目:シートン締込み中

前回の投稿から約40日。
前回は右前方の浅い痔瘻のゴムを、締込み用の紐に替えたところでした。
それから2週に一度、締め込んで参りました。
合計2回、締め込んでいます。

締め込む時は、金属製の肛門鏡でがしっと肛門を開いて作業します。
この肛門鏡が痛いので、締込み自体の痛みは気になりません。
気にしている余裕がありません。

締込み作業の後2〜3日間は、結構痛みます。
1日3回のロキソニンの他に、頓服でボルタレンを飲みたくなるくらい痛いです。
仕事になりません。
車も運転したくありません。
4日目くらいからは、痛みが落ち着いてきて、ずいぶん楽になります。

締込みを始めて、浸出液が増えました。
何に由来する浸出液なのかよくわからず、様子を見ています。
浸出液が出るのは我慢できるのですが、結構臭うので困ります。
傷口に当てているナプキンを取り替える頻度をあげることで対処しています。

ちなみに、以前は傷口→ガーゼ(トラクリーゼという、15センチ四方の脱脂綿をガーゼで包んだもの)→ナプキンの順番で当てていたのですが、ここ数日はガーゼをすっ飛ばして、いきなりナプキンを当ててみています。
かさばらないので座りやすいのです。
以前はガーゼにアズノール軟膏を塗って患部に当てていたのですが、いまは患部に直接指で塗っています。
傷口が治ってくると、こういう荒技ができるようになります。

この方法だと、割れ目にガーゼを挟んでいない分、生活は楽なんですが、浸出液や血液の吸いが甘いです。
それが治療にとっていいのかどうかわかりませんが、とりあえず実験中です。


いま締めこんでいる方の、肛門の右前方の痔瘻は浅いので、
「2回も締め込めばポロっと取れるかもしれませんね」
とドクターから言われています。
今週、3回目の締込み予定です。
そろそろ取れるんでしょうか。


締込み作業のときは、肛門鏡が痛く、「次回は診察前に痛み止めをMaxまで飲んで臨もう」と思うのですが、次の診察時には忘れる、というのを2回繰り返しました。
今度こそ忘れずに飲みたいと思います。
次回締込みは今週金曜日(4日後)を予定しています。

2015年4月3日金曜日

術後四十三日目:前方痔瘻シートン開始

お尻の状況に変化があったので報告します。

最近2週間ごとに通院してます。
本来なら次回は来週月曜日です。
しかし来週は予定が合わないことに出社してから気が付き、急遽昼休みを利用してクリニックに行ってきました。

空いてました。月曜の朝だと1時間待ちなのが、金曜の昼前だと待ちゼロでした。
次回からも金曜の昼にしようと心に決めました。

で、診察です。
「調子はどうですか」
と聞かれたので
「随分いいです。痛み止めも今朝から飲んでません。」
と伝えると
「じゃあ治療を次の段階に進めましょうか。今日は少し痛いことをしますね。」
と。
痛いこと?まじですか。それなら痛み止め飲んでくればよかった。。

肛門の右前方に浅い痔瘻、右後方に深い複雑痔瘻があります。
本丸である深い痔瘻と戦う前に、まずは浅い痔瘻を片付けるそうです。
片付け方はシートン法です。
細い紐を締めこんで徐々に肉を切っていきます。
数ヶ月かけて徐々に切っていって、最後はぽろっと紐が外れるそうです。
そうやって徐々に切ると、切ったそばから肉が再生していくので、筋肉を丸々切断しても肛門の機能が損なわれないとのこと。
今日はその締めこみ用の紐を、今入っているゴムと取り替えますよと。

「その前に、フリョウニクゲがあるので切りましょう。ちょっと痛いですよ。(看護師に向かって)ハサミください。」
フリョウニクゲ?
あ、不良肉芽?
肉芽って「にく」じゃなくて「にく」って読むんですね。
いやいや、そんなことより、ハサミで切るんですか?

不良肉芽。
傷を治すために盛り上がってきた肉芽が、勢い余ってコブのようになり、さらにそれが剥がれてピロピロしてたらしいです。
いらない肉芽。
不良肉芽は切り取ったほうが、早く綺麗に治るとのこと。
ハサミでジョキジョキ切ります。
ジョキジョキ感は伝わってきますが、思いのほか痛くありません。

「では、前の浅い痔瘻のゴムを紐に代えますね。痛いですけど頑張って下さい。」
と言って、なにやら太く冷たい器具がメリメリと肛門に入ってきました。
い、痛い。
横向いて寝て治療してるので、現場は見えません。
見えないと恐怖が増しますね。
冷たい感触から、おそらく金属製の肛門を広げる器具です。
その器具で肛門を広げた状態で、ゴムを抜いて紐を通します。
ゴムを抜いたり紐を通したりも痛いんですが、その金属の器具が痛い。
苦悶の表情を必死に抑えつつ痛みに耐え、処置が終了。
たぶん数分だったんですが、とても長く感じました。


「不良肉芽を切ったので、しばらく血が出るかもしれません。今日は紐を入れただけで、まだ締めこみは始めてません。次回からやりましょう。」
とのこと。
新しいガーゼをもらって終了。


診察が終われば、通院後の恒例、「いきなり!ステーキ」へ。
今日は痛い思いをしたので、自分へのご褒美として、ちょっと高めのリブロースステーキ400グラムを注文。
税抜き2,200円
肉のみ。


・・・焦げすぎ。
ランチどきにランチサービスメニューじゃないものを頼んだのがいけなかったのか。
クレームして取り替えてもらおうかとも思ったが、空腹と混雑と面倒臭さに負けて完食。
会計時に100円で肉マイレージ会員に申し込みつつ、「焦げてましたよ」と伝えておいた。
肉マイレージ会員は、食った肉のグラム数に応じて特典が受けられる。

いまこうして写真で見ても、かなり焦げてますね。
左奥とか。


牛と痔と言えば、我々と同じ痔瘻に苦しんだという夏目漱石の句を紹介したいと思います。

 秋風や 屠(ほふ)られに行く 牛の尻

痔瘻患者の悲哀がよくでていますね。
「秋風」を「春風」に入れ替えたら、手術前の心境に完全にフィットするなとか考えつつ、会社に戻って仕事して、家に帰って体重計ると87.7キロ。
この四日くらいでまた1キロ落ちました。
牛肉400グラム食ったのに。
糖質制限、すごいですね。

2015年3月30日月曜日

術後三十九日目:会社復帰

会社に復帰して十日ほど経ちました。
7営業日、出勤しました。

長時間座っていることにもだんだん慣れてきました。
傷口も鍛えれば強くなるのかもしれません。
超回復ですね。

優しい先輩方による復帰祝いであったり
お客さんとの打ち上げであったり
友人からの久しぶりの連絡であったり
プロジェクトの反省会であったり
けっこうなペースで飲み歩いてたんですが、傷が悪化するという感じはありません。

仕事で座ってるだけでも大変なのに、その後さらに飲み屋で座るというのは自虐行為かと思いきや、飲むと麻酔が効くのか、けっこういけるもんです。
酒のせいで傷がどうのということは、ほとんどありません。

複雑痔瘻に苦しむ皆さん、根治術のあとの酒、大丈夫です。
ただ、腹が壊れるような飲み方はやめたほうがいいとは思います。
お尻からゴムも生えていることですし。

個人的には、糖質制限を続けているせいか、酒量はまったく落としていないのに、いたって快便です。
いままで、ビールを飲みすぎて腹が壊れるんだと思ってましたが、あれはひょっとしたらシメのラーメンが悪かったのかもしれませんね。替え玉とか。

糖質制限と言えば、体重は順調に落ちていて、現在89キロくらいです。
2ヶ月弱で6キロ落ちました。
そのうち体重変動のグラフを載せたいと思ってるんですが、フリーの表計算ソフトの使い方がよくわからず、グラフを画像ファイルにできないので、スクリーンショットを切り取って載せようかどうか悩んでいる今日この頃です。

2015年3月14日土曜日

術後二十三日目:盛り上がってきました

盛り上がってきました。肉が。肉芽。

手術直後は断崖絶壁のように切り立っていた傷口ですが、なだらかになってきました。
スキー場でいうと中級斜面くらいです。
ちょっとした丘陵と言ってもいいかもしれません。

当初、脂肪のせいか白っぽかった創面も、肉芽が順調に成長し、鮮やかな赤になっています。
痛みも随分とやわらぎ、痛み止めを飲んでいれば、座ること以外のことは大体できます。

この調子でいけば来週には会社に行けるんじゃないかと、「木曜日に出社する」と職場に宣言しました。


ところで、先日、傷を治すのに良い食べ物を調べたんです。
タンパク質や亜鉛、ビタミンB群とかCがいいということでした。
それは肉や豆腐やナッツや野菜などで補給してました。
それに加えて、クエン酸が良いということでした。

盲点でした。

糖質制限してたので、果物類は食べてなかったんです。
米を食わないので、梅干しも食べてませんでした。
クエン酸、全然摂ってません。

そこで、ハッサクを食べてみたんです。
そしたら、ものすごくうまい。
糖質制限しているせいか、クエン酸を体が欲しているのか。
これまでハッサクなんて見向きもしなかったのに。
甘い伊予柑を食べてもそれほどでもないので、たぶん体が酸っぱいものを求めてるんだと思います。
で、気のせいか、ハッサク食べ始めてから傷の治りが加速した気がします。
たまたま傷の治りが実感できる時期にハッサクを食べただけかもしれませんが、そうでないような気がしてなりません。

創傷と戦う全ての方に、肉とナッツとハッサクをお勧めします。





2015年3月9日月曜日

術後十八日目:診察(退院後二度目)

一週間ぶり二度目の診察です。

「まあ、一番深い痔瘻の傷なので、しばらくは痛いでしょうし、座るのもキツイでしょうね。」
という、前回とほぼ同じコメントをいただく。
「お、傷口綺麗ですね。順調ですよ。傷口もデコボコしてきましたし。」
とのこと。

術後すぐの傷口(創面)は、プリンをスプーンですくったような、スパっとした状態だった。
それが最近、肉芽が出てきてボコボコしてきている。
肉芽(にくが、にくげ)とは、傷が治る過程で創面にできる赤い肉のような組織だ。
これが綺麗に出て来ればしめたもので、治りが順調だと判断できる、というようなことが「新しい創傷治療(湿潤療法)」のページに書いてあった。確か。

私はこれまで、アズノール軟膏をかなりたっぷりとガーゼに塗ってきた。
創面を湿潤に保ち、肉芽を綺麗に発生させるためだ。

病院で軟膏をガーゼに塗るのは看護師だ。
看護師によって、塗る量が全然違う。
入院中も、違った。
15センチ四方のガーゼを使っているのだが、看護師によっては「たっぷり塗ってくださいね」とガーゼ全体に1ミリ近くジャムパンのように塗る人もいるし、「こんなに塗る必要ないですよ」といって、中心部にちょこっと塗るだけの人もいる。
私はたっぷり塗る人を信頼するようにしている。
(今日の看護師は「ちょこっと派」だった。)


「お、傷口綺麗ですね」という傷口の状態は、たまたまそうなったのではなく、狙って作ったのだと、ここで声高に主張しておきたい。
アズノールをこれでもかと、たっぷり塗ってきた結果なんだぞと。
ま、少なく塗ったケースと比較できているわけではないので、あれなんだけれども。


診療は、傷口チェックの後、痛み止めとアズノール軟膏を両方とも多めに出してもらって終了。



で、先週に引きつづき、クリニックから歩いていける「いきなり!ステーキ」へ。
ひょこひょこと不自然な足取りで、ゆっくり歩いて到着。
立ち食いステーキの店。
座ることなくタンパク質を補給できるという、痔瘻患者のためにあるような店。




2015年3月8日日曜日

術後十六日目:リハビリ

医者からは「術後1ヶ月はデスクワークは無理」と言われています。
1ヶ月って4週間から5週間ですよね。
ということは、いま術後2週間ちょいなので、あと2〜3週間は仕事復帰できないということになります。

本当にそんなに時間がかかるのかは疑問なのですが、会社側には長めのスケジュールを伝えてあります。
長めに言っといて実際には短い方が、逆よりはいいだろうと。

で、復活の時期を占うべく、リハビリに行ってきました。
以前からなんとなく予定していた、自動車ディーラーとの打ち合わせです。
1時間ちょい座りっぱなしでした。
1時間くらいなんとかなるだろうと思ってました。

無理ですね。
痛すぎます。
痛み止めの薬を普段より多めに飲んで臨んだのですが、無理でしたね。

そろそろ半日出社くらいできるんじゃないかと思ってましたが、甘かったです。
1時間で限界です。
不自然なほどナナメに座ってても、です。

店舗を出てすぐ、追加で痛み止めを投入しました。
その甲斐もあってか、帰ってからは全然痛くないわけですけれども。
こういう事を毎日続けるのは体によくない気がします。
ですので、もうしばらく出社は控えようと思います。

あ、座らないで仕事すればいいのか。
それならいける気もします。

2015年3月3日火曜日

術後十二日目、戦術的投薬

昨日から今日にかけて断続的に計16時間、寝てます。
24時間中16時間。
1日の2/3、寝てることになります。
その状況で、いまからさらに寝ます。
寝れば寝るほど傷が治るんじゃないかと思い、寝てます。
痛み止めが効いているので、よく眠れます。
よくもこれだけ眠くなるなと不思議に思うのですが、体に傷があると眠れるものなのかもしれません。

痛み止めが効いている時間を長くするために、ロキソニンを早朝、昼過ぎ、そして夜寝る前に飲みます。
毎食後に飲むよりも、空白地帯が少ないです。
その上に、必要に応じてボルタレンをまぶしていきます。

痛みの強い早朝にロキソニンとボルタレンをダブルで飲んで痛みを一掃します。
戦力の逐次投入をせず、一気に叩くことが重要です。
いったん痛みが落ち着けば、様子を見ながら追加で大丈夫です。

早朝薬が切れて痛くなるのは、しょうがないようです。


2015年3月2日月曜日

術後十一日目:痛み止め

えー、痛いのは酒のせいじゃないかとか、ワサビのせいじゃないかとか、いろいろ書きました。
混乱させてすみません。
全く関係ありませんでした。
完全に、痛み止めの薬のせいでした。

痛み止め、すげー。

今日、退院後初めての診察に行きました。
ナロンエースが切れたのか、10段階で8か9くらいの痛み。
タクシーの振動もきついです。

クリニックの待合室でも、まともに座れませんでした。
で、診察です。
「その後、どうですかー」
「痛いっす、とにかく痛いっす。退院後、痛み止めが頓服でしか出てないんです。」
「じゃ、痛み止めたくさん出しときましょうねー。傷はきれいですよ。痛いことに対しては、頑張れとしか言いようがないです。」
「頑張ります。」
「痔瘻の手術でも一番深い傷ですからねー。痛いのはしょうがないので、応援をしますね。痛み止めで。」
「お願いします。」
という診察。
で、1日三回分のロキソニンと、頓服のボルタレン。
調剤薬局で処方された瞬間に飲みました。
ロキソニンとボルタレン。
効け、痛み止め。

しばらくしたら・・
ものすっごい楽です。
酒とか唐辛子とかワサビとか関係ないです。
ものすっごい楽です。
完全に薬でした。
痛み止めってすごいですね。




術後十日目、い、痛みが

昨夜の状況。
寝付けないほど痛い。
10段階で8。
排便時に痛すぎて笑ってしまった。
この痛みの上にその痛みも乗るんですか、と。

ビール飲んでないし、辛口ジャーキーも食べてない。
でも、スパークリングワインと焼酎は飲んだ。
刺身にワサビもたタップリつけた。
あれがいけなかったのかもしれない。

下の娘の初節句で 親戚が来てくれたもんで、つい飲んでしまった。
まだ酒が犯人と決まったわけではないが、重要参考人であることに間違いはない。
退院時に「飲みすぎなければOK」と言われている。
「ああ、下痢しなければいいんだな」と勝手に解釈したのだが、違うのかもしれない。

痛くて寝付けなかったので、シャワーを浴びてバファリンを飲んだ。
さらに病院で処方された睡眠導入剤(マイスリー)を飲んだら眠れた。
朝になってよく見てみると、バファリンの箱に入っていたのはナロンエースだった。
まあ似たようなもんだろう。

今朝は比較的、楽だ。
10段階で3。

2015年2月28日土曜日

術後九日目、痛みが

どうも昨日からお尻が痛い。
ジンジンではなくヒリヒリ痛い。
夜中に痛みで目がさめるほど痛い。
10段階で7か8。
こんなことは入院中にはなかった。
なぜだろう。

退院してから変わったことは

1、 ガーゼの外側に生理用ナプキンをあてた
2、 辛口ビーフジャーキーを食べた
3、 ビールを飲んだ
4、 一日三回だった痛み止めが頓服になった

実は4の影響がでかい気がしているが、とりあえず2と3をやめてみた。
明日以降の様子をみてみる。

痛み止めが頓服で五回分しか出なかった。
あと一回分しかない。
いざとなったら市販薬だな。


2015年2月26日木曜日

入院十日目:退院

朝、主治医の診察。
なんと今日退院してもいいと言う。
それでは、ということで、退院。

帰りの電車は立っても座ってもきつかったが、なんとか我慢。
雨の中、スーツケースをごろごろ押しながら帰宅。

しばらくは自宅療養だ。
診断書には「退院後3週間の自宅療養が必要」と書いてもらったが、実際はそれほど必要ないかもしれない。

2015年2月25日水曜日

入院九日目:発症から入院まで

今回は、なぜ入院することになったのか、その経緯を書いてみる。
解禁になったコーヒーでも飲みながら。




話は、5年ほど前に遡る。

ある日、お尻におできのようなふくらみができた。
日に日に膨らんでいき、痛くなってきたが、放置すれば治ると思って放置していた。
ところが、ついに座れないほど痛くなり、40度近い熱が出た。
インターネットで検索すると、どうも「肛門周囲膿瘍」というやつらしい。

どのサイトをみても、切開するしかないと書いてある。
この痛みから解放されるなら、切開でもなんでもしてくれ。
ということで、隣駅の肛門科の診療所を受診。
案の定、「肛門周囲膿瘍です。すぐに切開します。」と言われる。
「化膿していると麻酔が効かないので、麻酔はしません。肛門科の治療で一番痛いですけど、我慢してくださいね。」と言われ、切られ、指でぎゅーっと膿を押し出される。
無茶苦茶痛い。
いや、本当に痛い。
当時はそういうもんだと思っていたが、そうではないことをつい最近(入院してから)知った。

#####(以下、下記ページより引用)#####
http://www.wound-treatment.jp/next/wound400.htm

【局所麻酔をしないで膿瘍切開!】
いるんですよね,こういう馬鹿医者。麻酔しないで皮膚を切ったら痛いってことを知らないらしいのですから,医療の素人より無知です。さらに豪傑医者になると,「化膿していると麻酔の注射が効かないから,麻酔の注射をしても無駄」と説明して,無麻酔で切開する医者もいます。無麻酔で切開なんて19世紀のお医者様としか思えません。ここまで来ると能無し医者レベルじゃないでしょうか。

#####(引用ここまで)########

まさにその「豪傑医者」だった。
そのクリニックは、気がついたら廃院になっていた。
結構若い医者で、クリニックも綺麗だっんだけど、治療が19世紀じゃねぇ。。
そりゃ客も来なくなるわ。


それはそれとして、その麻酔なしの処置のときに、
「炎症が落ち着いたら根治術が必要です。入院しての手術です。1ヶ月くらいして傷が落ち着いたら予約してください」と言われていた。
でも、症状がおさまってしまえば、わざわざ予約してまで自分の体を切りたいとも思えず、放置した。
その後、たまに膿が溜まるものの、指で押し出せばなくなる、という状態が5年続く。


今思えば、あれは1型から4型まである痔瘻(じろう)の2型で、筋間痔瘻と呼ばれる痔瘻だった。現在治療中の複雑痔瘻に比べると、「同じ痔瘻という病名だが、別物」と言われる、シンプルなものだ。あの時に手術しておけば良かったような気もするし、「豪傑医者」にやられなくて良かったような気もする。


そして、去年の10月末。
忘れていた、あの痛みがやってきた。
5年前に経験した、あの痛みだ。
最初は「これは違う。なにかの間違いだ。またいつものように膿が出て楽になる。」と自分に言い聞かせていたのだが、痛みは日に日に増していく。
とうとう我慢できなくなり、肛門科を受診。
前回切られた豪傑医者のクリニックは廃院になっている。
会社の先輩に教えてもらった、肛門業界では有名なクリニックへ。


このクリニックは院長が人気らしい。
その日、院長は不在で、別の医師に診てもらう。
触診。
「なんともないですねぇ。もう少し様子を見ましょうか。5年前の筋間痔瘻は、折を見て手術したほうがいいですが、それ以外はなんともありません。しばらく様子をみましょう。一応、痛み止め出しときます。」
と言われる。
「えー、そうなのか。大したことないのに騒ぎすぎたのか。」
と思い帰宅。
数日間放置。

・・・痛い。
どんどん痛くなる。
ここまで痛くなれば医者も切らざるを得ないだろう、という状態になってから、同じクリニックを再受診。

こんども院長は不在。
診てくれたのは前回とは別の医師だ。
(院長は特定の曜日にしかおらず、その曜日は大変混雑するとのこと)

触診と内視鏡検査。
内視鏡検査の時、一緒にカラー画像を見ながらやるんだけど、突然血が映った。
「あ、切れ痔になっちゃった。大丈夫。2、3日で治ります。」
うーん。。もうちょっと、すみませんとかなんとか、言い様がないものかね。
検査終了。

「検査した限りでは、なんともないです。そこまで痛いと言うなら切開してみます?」
と言われる。
お願い、切って。

局所麻酔をして、切開。
「・・・なんにも出ないです。脂肪がピンクになってるくらいです。炎症もないですね。今度エコー検査しましょうか。来週水曜日(6日後)に院長が来るので、その時にできます。予約していってください。その結果を見てからですね。痛み止めまだありますよね。」
と言われる。
エコー検査は院長にしかできない、難しいものらしい。
毎週水曜日にしかやってないそうだ。
それまで待て、と。
そうか、急ぐ必要ないのか。
大した症状じゃないんだ。
おれが痛みに弱いだけなのか。
ところで、何も出なくても切っただけで8千円もとられるんだな、当たり前か。
無意味に切られたあげくに、切れ痔になっちゃったな。
まあ、お願いしてやってもらった結果なんだし、仕方ないか。
なんか、もともとの痛みに、いくつかの痛みがプラスされちゃったな。
などとモヤモヤしつつ帰宅。

その二日後。
土曜日で会社は休み。

・・・・・・い、痛い。痛すぎる。
院長のエコー検査まではまだ4日ある。
我慢できるか?できるかもしれない、でも、したくない。
なにかおかしい。
切れ痔でも切開した傷でもない、カラダの奥が痛い。
解熱鎮痛剤飲んでるのに、熱も上がったままだ。
絶対に炎症があるはずだ。
触診でも内視鏡でもわからないどこかに・・・


そうだ、CTだ。
CTスキャンすればわかるんじゃないか。
体を輪切りにしてもらうんだ。

ということで、CT設備のある大きな肛門科専門病院へ。
痛みと高熱の中、電車に揺られて一時間。

フラフラしながら受付を済ませ、受診。
担当は副院長だ。
これまでの経緯を話すと、
「すぐCT撮りましょう」と言われる。
診察室から出て、別の階の放射線ルームへ。

CT撮るのに1時間弱の待ちがあり、放射線技師に謝られた。
いやいや、全く問題ないです。
ついに敵を追い込みつつあるんです。
待ちます、待ちます。

1時間くらいでCT撮ってもらって、また診察の列に並んでから再度診察。

開口一番
「・・・なんでこんなになるまでほっといたんですか!」
と言われる。

いや、ほっといてないから。
二回も受診してそのうち一回は無意味に切られてるから。

「深いところに直径6センチくらいの膿が溜まっています。緊急手術します。入院してください。」とのこと。
あー、やっぱり。
そうそう、そういう深刻度だと思ってたんだよ。
ここに来て良かった。
なにより、この苦痛を理解してくれる人に会えたことが嬉しかった。
病状がひどいと聞いて安心するという、奇妙な感覚。
「つらかったでしょう。よく我慢されましたね。」と言ってもらえた。
やっと味方に会えた。

さあ、緊急手術へゴー。

坐骨直腸窩膿瘍に対する切開排膿ドレナージ術、みたいな術名だった気がする。

腰椎麻酔で下半身麻酔。
深いところにある患部まで切開して、膿を出す。
内部の膿が排出されるよう、ぶっといストローみたいなもの(ドレーン)を2本留置して終了。
お尻から固くて太いストローが生えている感じ。
一泊入院して、翌朝10時に退院。
昨日までの苦痛が嘘のように無くなっている。
あの苦痛に比べたら、ケツに切り傷があろうが、そこからストローが生えていようが、楽勝だ。

それが去年の11月。


1週間か2週間して、ストローを抜いて、ゴムの輪と取り替える。
そのゴムも数週間で自然に取れてしまった。
ゴムが取れた頃、エコー検査をして、MRIも撮って、根治術の話になる。
12月末だった。

第一弾として、深いところにある原発巣(膿が溜まっているところ)を取り除く。
その際、皮膚側を広く、紡錘形(たけのこ型)に肉を掘る。
もし細長く掘ってしまうと、表皮側から傷が治り、深いところにまた膿が溜まるとのこと。
だから、たけのこ型に掘る。
たけのこの先端から治っていくように。
で、そのたけのこ型にほったところに輪っかを通しておく。
(概ね↓の感じ。)
http://daichoukoumon.com/zakotutyokutyoukazirounosyuzyutu.html

第二弾では、数ヶ月かかって輪っかを包むように肉が盛り上がってくるのを待ち、輪っかを抜き、輪っかの周りにできた 管状の穴をくりぬく。
という計画。


今回の入院は、その第一弾の手術。
入院は2週間の予定。


つまり、これで退院して終わりではないのだ。
肉の盛り上がりを待って、数ヶ月後、細い管状になっているはずの患部に対するくりぬき術(?)が行われる予定だ。
すべてが計画通りに進めば、だが。



ちなみに、5年前の筋間痔瘻の方も、今回の手術で同時に治療してくれている。
瘻管(膿を抜いた後にできる管状の穴)をくりぬいてシートン法の糸入りのゴム管を通してある。
こちらは、この糸を徐々に締めていき、肉を徐々に切り、糸がポロリと取れれば完了。


深部の複雑痔瘻と浅い筋間痔瘻、両方合わせて、今後1年程度は闘病生活が続くことになる。
しばらくは体液の滲出(しんしゅつ)が続く。
生理用ナプキンが手放せない。

以上、 発症から入院までの経緯でした。


実は、緊急手術になる前、クリニックで「水曜日にエコー検査」してくれる予定だった院長と、今回入院して第一弾手術を執刀してくれた主治医は、同一人物なのだが、それはまた別の話。





今日の体重:
90.5kg
(-0.7kg)

着実に減っているような・・・

2015年2月24日火曜日

入院八日目:体重

91.2kg
(-0.3kg)

減ってるような。誤差のような。

ちなみに、なるべく誤差が減るように、同じ時間帯(夕食前)に同じ体重計(スパの脱衣場)で計ってはいる。

入院八日目:外出許可

午後イチで診療。
医師「シャワーで患部をよく洗って、お風呂で温めてくださいね。それが治療みたいなものですから」
と言って、軽く消毒してガーゼ代えて終わり。
閣下、シャワー入って風呂入ってガーゼ当てて寝てるだけなら、家でもできるのではないでしょうか。
もう入院してる必要ないと思う。
明後日の主治医の診察で退院時期を判断するそうだ。

外出許可が出たので、駅前の商業施設へ。
数時間だけとはいえ、好きなところに歩いていけるというのは、なんとも言えない開放感だ。
お尻が痛くてスタスタ歩けず、ゆっくり、ひょこひょこと歩くことしかできなくても、心が弾む。

散髪してから、いろいろ欲しかったものを調達開始。

途中で、だれでもトイレに入ってガーゼを代えようとしたら、パンツの中からガーゼが2セット落ちてきた。いつもつけてる3点セットが2つ。
どうりでなんか歩きにくいしゴワゴワすると思った。
診察時に看護師がガーゼを取り替えずに「追加」したようだ。
何考えてるんだろう・・・

気を取り直して、買い物続行。

実は、ここ二日ほど便の出が悪い。
すっきりしない。
病院食に食物繊維が足りないのだ。
申し訳程度におひたしとかサラダが付いているだけで、全然満足できない。
で、なにかいいものはないかと思案。
サラダ買っても日持ちしないしな・・・
日持ちする食物繊維・・・・
・・・漬物だ!

野沢菜漬け、からし菜漬、菜の花漬けを購入。
タンパク質も欲しいので、1パック10個入りの生卵やら真空パックのチキンやらを調達。
あ、チーズ忘れた。

惣菜コーナーでトンカツとカキフライを買ってテラスで食う。


病室に帰って、買ったものを詰めたら、冷蔵庫が食料でいっぱいになった。



ちなみに、今朝から常食になっている。

2015年2月23日月曜日

入院七日目:あれ?抗生物質は?

朝、患部のガーゼを取り替える。
結構な量の膿が出ている。
小さじ一杯くらいだろうか。
色は薄い黄色だ。

午前、診療。
いつものようにベッドに横向きに寝て膝を抱えるような体勢になり、パンツを下ろす。
看護師「もう少し綺麗に洗ってくださいね」
俺「今朝、排便後に痛みがあったので、シャワーを浴びました。その時に結構念入りに洗ったんですけどね」
医師「ええ、十分綺麗に洗えていますよ。滲出液が多いですからね。この調子で大丈夫。」

病室に戻りながら、患部の状態を考える。

看護師が「もう少し綺麗に」と言いたくなるのだから、ある程度汚れていたのだ。
汚れの原因は、膿か便がトイレットペーパーだ。
診療中もその後も、拭いたり洗ったりはしなかったし、指示もなかったので、異物らしい異物ではなかったのだろう。
さらに、「滲出液が多いですからね」というコメントから、それに関係する汚れだと思われる。
おそらく、膿だ。
シャワーを浴びたのが7時頃で診察が11時。
その間、4時間経っている。
この4時間の間に、専門病院の看護師が「もう少し綺麗に」と言いたくなるほどの膿が出たのだ。
にもかかわらず、医師はそれを正常な状態だと考えている。
その証拠に、抗生物質の処方がない。

部屋に戻り、調べ始める。
結構な量の膿がでているのに、抗生物質を飲まなくていいのか。



術後の治療は「湿潤療法」に近いと感じていた。
・ガーゼにたっぷりとアズノール軟膏を塗って1日4回程度取り替える。
・シャワーや入浴で、患部を綺麗に洗い流す。ただし石鹸では洗わない。
という治療方針は、
「消毒して乾かす」かわりに「水で洗って湿らせておく」
という湿潤療法の方針にほぼ合致してるように思える。
この「湿潤療法」の中で、抗生物質はどのように位置付けられているのか。
湿潤療法の生みの親らしい、夏井医師のHPを読み漁った。

www.wound-treatment.jp/title_kanou.htm

結果、 現在の患部は「化膿」していないことがわかった。
上記ページによると、化膿とは傷口に細菌が入って炎症(infection)を起こしている状態、となる。炎症とは、腫れ、陣痛、発赤、局所熱感のどれかの兆候があることだ。それらが一つもなければ、それは炎症ではなく従って化膿でもない。
一方で、傷口に常在菌が入り込み、創面での細菌の常在化(colonization)が起きるのはごく自然な事であって、放置してよいと書いてある。
常在菌である黄色ブドウ球菌を無理に退治しようとして抗生物質を投与すると、こんどはそれに耐性をもったMRSAが登場するのは必然だそうだ。
そのMRSAをバンコマイシンで叩くと、こんどはカンジタやさらにやっかいなカビが発生するとのこと。
確かに。
親族の治療でまさにその連続攻撃を受けた。

炎症を起こさない範囲で、常在菌である黄色ブドウ球菌が繁殖している状態は、他の厄介な細菌の繁殖を妨げる効果があるので、傷を治すにはかえって良い環境とのこと。
ただ、縫合糸やカサブタ、水疱の膜など、体液の循環が及ばない異物の周りでは炎症が起きやすく、それらの異物は取り除いた方がよいそうだ。

なるほど。
抗生物質を投与せず、患部を清潔にするという方針の狙いがわかった。
そういうことか。

シートン法(痔瘻の管をメスで解放切開せず、糸の輪を通して徐々に切る方法)の糸がゴム管みたいなものに覆われている意味もわかった。裸の糸を入れると、その中心部まで体液の循環が及ばず、そこで繁殖した細菌を退治できなくなるのだ。それを避けるために、糸をゴム管を入れておいて、傷が治ってきてからゴムだけ抜き、糸で切るフェーズに移行するのだろう。

治療方針が腑に落ちたので、安心して、徹底的に、患部を湿潤に保ちつつ、シャワーで異物を取り除きたいと思う。もちろん抗生物質は飲まずに。






ちなみに、私が糖質制限を始めたのも、この湿潤療法の夏井医師の本を読んだからだ。
「炭水化物が人類を滅ぼす」という本だ。
全体の1/3くらいでお腹いっぱいになって、全部読む気になれなかったが、読んだ後で実際に自分の行動を変えるに至る本はなかなかない。その意味で、良書だと思う。

で、なぜこの本に注目したかというと、同じ著者の
「傷はぜったい消毒するな」という本を図書館で借りようとして、予約がいっぱいだったからだ。湿潤療法について調べていてこの本を見つけた。
実は、自分の手術とは関係なく、湿潤療法について調べていたのだ。


1月の後半だったか、漁師になった友人から電話があり、彼の漁師仲間が手の指を切断したという。
「お前の奥さん指切断したことあるよね?はえてきたっていってたけど、どうやったの?」と聞かれ
「うちのカミさんは切ったと言っても先端5ミリくらいで、切れ端を縫合したけどぽろっと取れて、下からはえてきたんだよ。だからあまり参考にならないんじゃない?カミさん関係ないけど、正月に弟が『湿潤療法というのがあって、切断した指が再生するとテレビでやってた』と言ってたよ。それが参考になるんじゃない?」
と伝えた。

そんなことがあり、言った手前、湿潤療法についてちょっと調べ、「傷はぜったい消毒するな」を図書館で予約しようとしたのだ。
そうしたら予約件数がハンパじゃなかったので、時間がかかるなーと思い、同じ著者で比較的早く届きそうな「炭水化物が人類を滅ぼす」をとりあえず借りて読んで、糖質制限を開始したというわけだ。

だから、湿潤療法についてはなんとなく知ってたものの真面目に調べたのは今日が初めてで、かつ、糖質制限についてはある程度の知識を持っていて実践中、という状態になった。

先日聞いたところ、その漁師仲間は、いま指にラップを巻いているそうだ。
湿潤療法(ラップ療法)だろう。

2015年2月22日日曜日

入院六日目:リバウンド

体重を測ってきた。

91.5kg
(+0.9kg)

リバウンドしてる。
食ってるから当たり前か。
ここまでの体重の変化をまとめると、以下のようになる。

2月 5日(人間ドック): 94.8kg
2月17日(入院初日) : 92.2kg (糖質制限の効果か少し減ってる)
2月18日(入院二日目): 90.7kg
2月19日(入院三日目): 手術で計測できず
2月20日(入院四日目): 90.6kg
2月21日(入院五日目): 計測忘れ
2月22日(入院六日目): 91.5kg

手術前後に食わなかった影響でガクッと減ってる。
今日の体重はそれに比べて増えたとはいえ、手術前よりは少し減ってるような・・・
ま、92.2kg => 91.5kg の700gの減少なんて誤差の範囲だけど。


夕方、義理の父から電話があった。
奇しくも同じ日に手術をしたのだ。
あちらは腰の手術。
お互い順調に回復しつつあることを確かめ合う。
早く元気になって一杯やりたいものだ。

入院六日目:術後初入浴

昨日から全粥食になってるんだが、今日の昼は鶏肉の味噌漬け焼きがでた。
肉らしい肉は、入院直前に駅前のコンビニでチキンを立ち食いした以来だ。
ずっと食いたかった。
高ぶる感情を抑えつつ、箸で一切れ口に運び、噛みしめる。
肉のうまみに唾液がついて行けずにアゴがしびれる。
うめえ。

午前の診察で、入浴許可が出る。
滲出液が多いのでスパは無理だが、予約制の個人風呂ならOK。

午後、入浴。
一時間のうち、50分が入浴時間で残り10分は掃除タイム。
掃除は看護師さんがやってくれている様子。
お湯は自分でためる。
湯張りに結構時間がかかるので、その間にシャワーで体を流す。

傷を効率的に治したいので、今日は湿潤療法について調べていた。
その周辺情報として「頭や体は石鹸を使わずにお湯で洗うのが良い(湯シャン?)」
という一派の記事をかなり読んだ。
試してみようと思い、石鹸もシャンプーの使わないでみる。

前回のシャワー同様、お湯の勢いを弱くして、しゃがんで患部に当てる。
全く痛くない。
そっと肛門に触れてみる。(洗うためだ)
ゴムらしきものが出ている。痛くはない。
意図せず傷口の縁に指が当たる。
クレーターの周縁というか、山脈の稜線というか、切り立ってデコボコになっている。
痛くない。
気づくと傷口のなかに指が入ったようで、山脈の内側に触れる。
弾力があり、表面はつるっとした肌触りで、かつデコボコしてる。
痛くないんだが、気分も良くないので、その辺でやめておいた。
明日は鏡を持って入ってよく観察してみよう。

ちなみに石鹸を使っていないことによる不快感は、いまのところない。
頭もベタベタするのかと思ったら、全然しない。
すっきりしている。

2015年2月21日土曜日

入院五日目:傷口

昨夕、売店で手鏡を買った。
今後、排便が始まるので、肛門周辺が綺麗に洗えているかどうかを確認するためだ。
傷に加えて、シートン法による紐も(3本)あるので、汚れが残りやすいとのこと。
ウォシュレットやシャワーで清潔にするようにとの指示。

傷口はどんなもんなんだろうと思って、鏡で見てみた。
・・・でかいな。
傷口にはガーゼが詰まっていて、全容はわからない。
でも、思っていたよりでかい。
楕円形に見える傷口の、大きい方で直径7センチくらいだろうか。
で、手術の説明から考えるに、いまガーゼで見えていない傷の奥は、深さも同じくらいはあるはずだ。
これで大して痛くないんだから、人間の体は不思議なもんだ。
痛点が少ないんだろう。

朝、今日から全粥になった食事を終え、執刀医の診察。
傷の中のガーゼを抜く。
退院時期の話になる。
「痛みは少なくても傷は大きいので、しばらく様子を見たい。来週の木曜日の診察で、退院時期を判断しましょう。」
とのこと。
ガーゼを抜いたので、シャワーに入って良いそうだ。
入浴については、明日の診察で判断。
うまくいけば明日からスパにも入れるらしい。

病室に帰ってしばらくすると、便意がやってきた。
入れたんだから出ますよね。
お尻には20センチ四方くらいの大きなガーゼに、アズノール軟膏を塗って伸縮性の強い専用パンツで抑えてある。
これを外すのに手間取る。
油断すると軟膏が塗ってあるほうが下になって床に落ち、あとが厄介だ。

「痛いのかなー」と思いつつ排便開始。
あれ?痛くない。全然。
通常よりややコマ切れだが、比較的普通の便が出た。
「ウォシュレットは痛いんだろうなー」と思ったが、痛くない。
丁寧に洗う。

新しいガーゼにあらかじめ軟膏を塗っておいたので、それをお尻に当ててパンツをはく。
このときに漏れたのか、後で見たらトイレの床にピンク色の液体がポタポタと落ちていた。
たぶんウォシュレットの水が傷口に入ったのに、トイレットペーパーでちゃんと拭けていなかったんだろう。
だって痛そうなんだもん。
濡らしたティッシュで掃除しておく。

その後、落ち着いてからシャワーを浴びる。
久しぶりだ。丸二日入ってなかった。気持ちいい。
お尻は石鹸つけてゴシゴシ洗うのはダメだけど、シャワーをよくかけて洗ったり温めたりするのはむしろ推奨されている。
シャワーを弱くして、しゃがんで下からかけてみる。
痛くない。でもなんか違和感はある。
ほどほどにしておいた。

シャワーをでてから、あらためて鏡で患部を見てみる。
・・・でかい。やっぱでかい。そして深い。
「あー、これは脂肪の層で、その奥は別の組織だな。」
とかいうことがなんとなくわかる。
傷口は大きな曲玉のような形をしていて、大きい方の直径はやはり7センチといったところか。
肉がごっそりとなくなっている。
我ながらあまり見ていたくはなく、早々に切り上げた。
そのうち慣れるんだろうか。

シャワーで傷口に付着していた粘液の被膜(?)が落ちたんだろうか、少し痛みが出てきた。
10段階で3〜4くらい。
本物のおしり日記をつけて、おとなしく寝ていることにする。



2015年2月20日金曜日

入院四日目:糖分恐るべし

手術翌日の今日はシャワーも入浴も不可。
タオルで拭くだけ。
明日、傷口に入ってるガーゼを取ってもらう予定で、そのあとはシャワーが可能に。
出血はそれほどでもないが滲出液が多いので、入院中のスパは厳しいかも、と。
ま、逆の立場だったら嫌だしね。しょうがない。
予約制の個人風呂だったら入れるようになるらしい。
いつから入れるかは医師の判断だそう。

スパには入れないんだが、体重計はそこにしかないので、行ってきた。
正確には脱衣場まで行ってきた。
体重は

90.6kg
(-0.1kg)

あれ、減ってない。食べてないのに。
減ってると思ってたのに。
ポカリスエット飲みすぎたか。
恐るべし、糖分。

入院四日目:久々の食事

朝、導尿管を抜いてもらい、歩きまわれるようになる。

お尻は痛くない。
いま、お尻には3本の紐が輪っかになって通っている。
それに加えて、原発巣を綺麗にするためにえぐった肉の部分にガーゼを丸めて入れてあるそうだ。
そう聞くと、ものすごく痛そうなんだけど、そうでもない。
さすがに患部を下にして座れば痛いが、それ以外はどうという事もない。
半ケツならしばらく座れるし。

看護師に「痛みは10段階でいうとどれくらいですか?」と聞かれ、
「それがほどんど痛くなくて。せいぜい1か2というところです。」と答える。
「こんなんで2週間も入院必要なんですか?」と聞くと
「痛くなくても、傷が深いので出血のリスクが大きいですから」とのこと。
まあしょうがないか。

(患部の状態については、たぶん下記ページの絵のような状態。絵とはいえ、慣れない人は閲覧注意かも)
http://daichoukoumon.com/zakotutyokutyoukazirounosyuzyutu.html



昼、待望の昼食。固形食。固形食!
「(ピンポンパンポーン)食事の準備ができたので、歩ける人は取りに来てください」
という、これまで無視していた放送がかかる。
久しぶりの食事なので、ベッド周りが食事体制になっていないことに気づき、いそいそと片付け開始。
しばらく片付けてたら、病院スタッフが食事を部屋まで持ってきてくれた。
うきうき気分がバレないように平静を装ってトレーを受け取る。

トレーをテーブルの上に置く。
ご、5分粥と聞いていたのだが、、、
なんと、、、




うどんだ!シュウマイだ!(あとゼリー)
しかも素うどんじゃなくて、練り物とかき卵に青菜まで入ってる。
プレートを見ると「5分粥 250g」のところに取り消し線があって「5分粥食」になっている。
5分粥相当の食事ということか。
なんて粋な計らいなんだ。

シュウマイを一口食う。
しばらく忘れていた肉の旨味、脂の香り、醤油の塩気。
思わず頬が緩む。
病室のベッドで一人、半ケツで座りながら、ニヤニヤとシュウマイを食っている。
いまドア開けたら不気味だろうなーと思いつつ、箸は止まらない。
いやいや、なるべくゆっくり食うんだ。味わって。
そう思い直し、うどんを噛む。こんなにうどんを噛んだのは生まれて初めてだ。
うどんは飲み物だと聞いていたのに。噛んでもうまいじゃないか。

入院した17日の昼に素うどん食ったのが最後だったので、丸三日、固形物を食っていなかった。
高倉健が撮影のために絶食したエピソードを思い出す。
たしかに絶食して飯を食うと、なんか普段と違うオーラが出る。
自分でわかる。
みなさんもお試しあれ。

入院三日目:手術

手術当日。朝7:30に浣腸。
「便が出たらチェックするので見せてくださいねー」
という言葉はしっかり聞いていたのだけれど、便意に耐えるためにトイレに持ち込んだ漫画に夢中になって、つい流すボタンを押してしまう。
流れていく水状の便を見ながら、取消ボタンがあったらいいのになーといちおう探してみるが、やはりそんなものはない。需要がない。普通。
看護師さんに正直に白状すると、昨日検査でどうせ空っぽだから大丈夫とのこと。

8:30からドクターの説明を受ける。
心配して横浜から2時間かけてやってきた母と一緒だ。
MRIやエコーの画像をみながら、丁寧に説明してくれる。
「深くて、複雑な痔瘻なので、通常の浅い痔瘻とは同じ痔瘻という名前は付いてますが、別のものだと考えたほうがいい」
とのこと。
痔瘻のタイプは1型から4型までの4タイプに分類され、数字が大きくなるほど症状が深刻になる。
私のは3型と4型の間くらいで、非常にやっかいだとのこと。
「これくらい切りますよ」
と、ドクターが手で輪を作るのだが、最初直径10cmくらいだったのが、だんだん大きくなる。
最後は直径30cmくらいになった。いや、それはさすがにないだろうと。
真に受けた母が
「それじゃまっすぐ座れなくなるかもしれないんですか?」
と聞くと
「そういう可能性もありますね」
とドクター。
いやいや、リスクがないと言い切れないのはわかるけど、そんなことにはならないでしょうと思いつつ、とりあえず母が納得したようなので、説明会終了。

(参考:痔瘻のタイプについて)
http://daichoukoumon.com/zirounotypenituite.html

点滴を入れて、9:15から手術。
まずはエビのように丸くなって背中に腰椎麻酔。
これで下半身の感覚がなくなる。はず。
というかこの腰椎麻酔自体が痛い。
腰椎麻酔用に局所麻酔とかできないんだろうか。

麻酔の効きを確かめてから手術開始。
あれ?鎮静剤使って朦朧とするんじゃなかったっけ?
頭すっきりしてて意識はっきりなんですけど。

まあそれはそれでいいかと思い直し、そのまま続行。
うつ伏せの状態で、ガムテープみたいなテープで尻を広げてベットに固定。
レーザーメスの「ぷー」という機械音とともに、肉の焦げる臭いが。。
うーん。

執刀は私の主治医であるベテランのドクターと、若いドクター(研修医?)のペア。
いろいろ勉強させないといけないんだよね、しょうがない。
私のケツを献体として捧げよう。

「そこはこうしたほうがいいんだよ」
とか
「さあここから原発巣までどうやって掘り進めていくか」
とか
「これは筋肉だから切っちゃだめね」
とか
「全部切らないで少し残すのがコツなんだ。どれくらい残すかは経験なんだけど」
などというやりとりが聴こえてくる。
その間も断続的にレーザーメスの「ぷー」という音が聞こえてくる。
主治医「これ、そっちに置いといて」
看護師「また同じ皿いいですか」
と、何回かに分けて肉片を切り取っているようだ。

やっぱ鎮静剤入れてもらえばよかったかな。。

たぶん30分くらいで、手術は終了。
手術直後にストレッチャーで別室に運ばれて、男性看護師による導尿管の挿入。
そのとき自分の足に机があたってて嫌だったので
「なんかあたってます?」
と聞くと
「感覚あるんですか??」
と驚かれた。実はちょっと親指も動く。
「手術は痛くなかったですか?」と聞かれ
「金玉をぶつけた時のような痛みと下痢した時のような痛みがありましたけど、こんなもんかと思ってました」
と答えたら笑ってた。
一緒にいた女性看護師が
「そこぶつけるとどんな感じなんですかー?」
と会話に入ってきて、男性看護師が
「男じゃないとわからないですよねー」
と答え、その後さらに護身術の話などで和やかなムード。

後続の方で不安な方には鎮静剤の使用をお勧めします。


部屋に戻って3時間、飲み物禁止。
明日の昼まで絶食。
翌朝までは頭をあげてはいけない。
腰椎麻酔の影響で髄液が漏れていた場合に危険だからだそう。
寝たきりだ。
かなり不自由だ。

唯一のメリットはトイレにいかなくてよいこと。
導尿管が入ってるから尿が自動的に出て行く。
便は出ない。材料がない。

3時間後、飲み物が解禁になる。
ここぞとばかりにポカリを飲みまくる。寝たままストローで。
糖分だ。食事ができない今、空腹を満たしてくれるのは、糖分だ。

なにせいくら飲んでもトイレに行かなくていいのだ。
シロナガスクジラが海水からプランクトンを濾し取るように、ポカリスエットから糖分を濾し取る。

看護師さんに
「そんなに飲まなくても大丈夫ですよ」
とたしなめられる。
(大丈夫かどうかは俺が決めることだ)
と思いつつ、口の中が甘ったるくなったので、水に切り替えた。



麻酔が切れても思ったほど痛くない。
というか全然痛くない。
痛み止めのせいかな。
傷口の状態はわからない。


2015年2月18日水曜日

入院二日目:再びスパへ

検査が終わってしまうと明日までやることもないのでスパへ。

体重:90.7kg

昨日から1.5kg減。結構減るもんですね。
ちなみに入院前にやってた糖質制限はすっぱりとやめて、スポーツドリンク飲みまくってます。
そうでもしないと空腹でやってられないので。


入院二日目:大腸内視鏡検査

朝6:30から下剤を飲む。
10分ごとに200mlずつ、10回くらいで計2リットル。
30分後くらいから便意がくるが、用をたしつつ、飲み続ける。
5回目で看護師による便チェック。ちゃんと水みたいになってるか。
不合格で「あと2回」の指示。
薄いバリウムみたいな味。げっぷしたくなるのも似てる気が。

7回目の便でOKがでて、腹が落ち着いてから検査。
お尻から内視鏡をいれて腸内を見るわけだけど、鎮静剤を打ったので朦朧としてた。

検査の担当医が以前からネットの記事で知っていた方だった。
エレベータの張り紙によると肛門外科部長だ。たしか。
「なるべく切らないでシートン法で済むならシートン法で」という記事を書いていた。
その方針がいいなと思っていた。

私の執刀医はがっつり切る気満々なので、朦朧としつつセカンドオピニオンを求めた。
すると「あの執刀医がそうするなら大丈夫」というような返答。
ちょっと安心したんだが、同じ病院内でセカンドオピニオン期待してもしゃーないかとも思った。
まあもうジタバタしてもしょうがないので、おとなしくまな板の上の鯉らしくしていようと思う。

下剤たくさん飲んだせいか、腹は減らないな。

2015年2月17日火曜日

入院初日:流動食

入院初日の夕食。
流動食とは聞いていたが・・。
具のないコンソメスープ、甘めの紅茶、りんごジュース、自分で汲んだほうじ茶。


いや、流動食って言っても、なんかもうちょっとどろっとした、ポタージュみたいなものを期待していたんですよ。
これは完全なる液体ですね。さらっさらの。
ここまでくると流動食じゃなくて、単なる飲料でしょう。

余計腹減った気がする。
明日の朝と昼は抜きで、夜は流動食。
うーん。
いっそのこと点滴にして。

入院初日:スパは結構広かった

スパに行ってきた。
結構広く、頑張れば10人くらいは入れそう。
体重計があったのでログを取ってみる。
この病気は、(痛くて出したくないので)食べる量が減り、痩せると聞くので。

入院初日:92.2kg

売店で綿棒やらコインランドリー用洗剤やら炭酸水やらを調達。

入院初日:入院

午前11時入院。

今回の入院の目的は、深部複雑痔瘻の根治術。
2週間程度を予定。
術後1ヶ月くらいは痛くて座れないと聞いている。

荷ほどきしてパジャマに着替え、今後の流れの説明を受ける。
ほどなく昼食。


素うどん。
普通の一玉よりは多い気がする。
痔とは関係なく、2週間くらい前から糖質制限をしていたので、こんなに大量の炭水化物を食べるのは久しぶり。
糖質制限開始の前日に神保町の丸香といううどん屋でかけうどん3玉食ったので、それ以来。
丸香と比べてはいけない。病院食としては頑張っていると思う。
でも油揚げくらい欲しかったなー。まあしようがないんだけど。
今夜は流動食で明日は朝と昼抜きで夜は流動食。
明後日は手術で絶食。
術後は 2日くらい流動食だったはず。
しばらく固形物食えないなーと、窓の外の工事現場を眺めつつ、ありがたくいただく。

今日は浣腸されて直腸内圧の検査。
浣腸は120ccだそう。ハラワタが冷えるような不思議な感覚。
小学生以来の浣腸。排便時に切ない感じになるのが懐かしかった。

内圧検査は細い金属棒を肛門から入れられて、力入れたり抜いたりで5分もせず終了。
あと剃毛。最近の剃毛は電気シェーバーなんですね。
剃毛してくれている看護師と
「あーここが前回の傷ですねー。あ、こっちにもちょっと穴が空いてるのかな??」
「そーなんですよー。そこは6年前のでー。」
などと肛門談義に花を咲かせつつ終了。

残る予定は18時の夕食(といっても流動食)と20時に下剤飲むだけ。
この病院はスパがあるので、行ってみよう。
スパといっても、写真で見ると5人も入れば一杯の民宿の風呂のようだが、実際はどうだろう。
いい感じだったら入院中は風呂ばっか入ってたいな。

そういえば、渡されたパジャマが臭かった。
加齢臭というか脂が酸化したにおい。
取り替えてもらって事無きを得る。
と思いきや、横になると今度は枕カバーが臭い。
取り替えてもらって再度横になってもまだ臭い。
絶望しつつ、病院のバスタオルをかぶせて一件落着。
バックパッカー向けのドミトリーかと。

普段Yシャツの下に着ている自分のTシャツもこういう臭いになることがある。
こうなってしまうと、普通に洗濯しても臭いがとれなくて、鍋で煮るくらいしかないんだよね。
バスタオルは臭くないんだから、同じように洗濯すればいいのになー。
アンケートがあったから書いておこうかな。

入院前夜:開設

明日入院するのでブログを開設してみた。